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ヒガンテスがあらわれた!(6)



いつものようにI、従弟S、そして伯父と卓を囲む。東1局の第一打、僕の捨てた牌はだった。他のみんなもいつものように、同じリズムで牌を切っていく。皆初心者ではないのだから、当然それぞれの動作に無駄は無く、淀みなく進行していく。何も考えなくても手は勝手に配牌をとり、並べ、牌を切り続ける。何を切るかや相手の仕掛けには注意を払うが、それ以外のところで注意するところはなく、まるでオートスイッチが入ったかのようだ。リアル麻雀にある程度わかってもらえる感覚であろう。



それに気づいたのは6~7巡目ほどだったと思う。


「あれ、俺第一打2pなんて切ったっけ?」

いやいや、確か切ったのはだ。北はどこにいったんだ?そう思っているうちに、

「お。ツモったわ~。デカいぞ~」

いつもの伯父の満足げな声。


19m19p9s東東南西北白發中 ツモ1s


これを見て確信した。このおっさん捨て牌から拾いやがった… 他の3人が気づかないうちに、さらりと牌をすりかえる。そんなことができる人が実際いるなんて。



確かに、「勝負師伝説哲也」によってイカサマという存在は知っていたし、山2枚ブッコ抜き(自分の山の端の2枚を山を前に出すふりをしてすり返る。坊や哲の得意技)をTがするのを見たことはある。でも、それは不自然なモーションなので割とわかりやすかったし、防止したこともあった。


だが、伯父の拾いは完全にわからなかった。いかに麻雀における所作のオート化で意識がそこまで向いてないにしても、不自然な動きがあればその違和感に気づくはずだ。普通、こういったサマをする場合は、手馴れないものならばやはりぎこちなくなるものだ。しかし伯父の動きは自然そのものだった。


ここでこのような行為に対する反応は2種類あるように思う。



1つは、「こんな卑怯なことをする奴とは打ってられっかよ!!!」

もう1つは、「すげえ!俺もこんなことできるようになりたい!!!」


当時、麻雀というゲームを「競技」とは考えていなかった僕らの反応は、言わずもがな、後者であった。


伯父は具体的なやり方などはほとんど言わなかったが、僕たち3人は伯父のやり方をじっくり観察し、そして練習してその技術を身につけていくことになるのである。伯父が使っていたワザは、拾い(捨て牌をすりかえて持ってくる)、ゲンロク積み込み(自分の山の自分のツモ筋に有効牌を置いてくる)、ブッこぬき(配牌をとるときに自分の山にあらかじめ置いておいた4枚と配牌の4枚をすりかえる)などであった。


もちろん、ノーレートや安レートでやるときにしか用いず、真剣にやるときはこれらのワザは暗黙の了解で禁止としていた。伯父は僕らのようなガキとやるときは驚かせて喜ぶためにこんなワザを使っていたが、大人同士でやるときはイカサマなし、いわゆるヒラの状態でちゃんと打ち、そしてやはりよく勝っていた。僕ら3人は大人たちがやる麻雀をよく後ろ見していた。



そうやって、伯父の麻雀のワザだけでなく、打ち筋にも影響を受け、僕ら3人はめきめき強くなっていったのだった。


続く。

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Author:hidehitox
日本プロ麻雀協会比嘉秀仁です。


~戦績~
第七期日本オープン準優勝 
第八期新人王戦 ベスト8


麻雀はもちろんですが、哲学、論理学、心理学、政治学等に興味があります。音楽は、ブランキージェットシティやマキシマムザホルモンなどのダサかっこいいのが基本好きです。読書(漫画含む)も好きです。



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